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2005年10月18日 (火)

☆新感線・吉原御免状

16日(日)☆新感線・吉原御免状を大阪梅田芸術劇場で見た。
オリジナル伝奇剣劇で人気の☆新感線が,旗揚げ25年目にして,初めて原作ものを引っ提げて勝負に出た。華やかな才能と手堅い考証で彗星のように文壇に登場し,忽然と去った隆慶一郎氏作,傑作剣客時代小説吉原御免状の完全劇化である。主演はおなじみの堤真一氏,相手役に美貌と天然の松雪泰子氏。古田丈,高田氏等劇団員の皆様は,敵役やキーパースンにまわる。
物語は,明暦三年,振袖火事で焼失した吉原が,復興再整備で甦るその日に始まる。一人の清々しい青年剣士が,肥後の山中から,大江戸吉原の庄治甚右衛門を訪ねて門をくぐった。
たちまち,鋭い剣戟と,権勢を誇る花魁の秋波に見舞われる。青年の名は宮元武蔵に師事する松永誠一郎。旗本奴,柳生一派,表面的な鍔迫り合いの裏には,誠一郎の出生にもかかわり,遊里吉原創設にまつわる壮大な秘密が隠されていた。
謎が謎を呼ぶ面白さ。スピーディでだれ場がない展開。長い,たっぷりのチャリ場と奇想天外な小道具の出没に期待する☆新感線の固定客には少し寂しいが,これだけ面白かったら大満足。刮目して見るべし。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

>古典めざましタイさま
一度アップし遅れると,機会を逸します。
ほとぼりが冷めたころに本音を書くというのが良いかもしれません。でも,良かったですね。宝塚歌劇にもなっていたとは存じませんでした。不覚。

投稿: とみ | 2005年12月 8日 (木) 01時37分

今更ながらの話にTBを有難うございました。
なかなか感想としてUPする機会がなくって…。
大阪公演は、おひょいさんがきっとセリフ入ってたんだろうなぁ。
私が観たのは初日開けて10日目だったので、ボロボロでした。
新しい”いのうえ歌舞伎”だと思って観れば楽しかったです。

投稿: 古典めざましタイ | 2005年12月 6日 (火) 13時17分

とみさん、はじめまして。
TBありがとうございました。
早速こちらからもTBさせていただきました。
このお芝居、純粋に面白かったですよねー。
でも私もとみさんと同じで物足りなさを感じたんです。
一緒に行った友達は絶賛してたのですが。
私の中では物足りなさの原因が漠然としているのでいまだに消化不良な感じです・・

投稿: yukika | 2005年11月 6日 (日) 23時53分

TBどうもありがとうございました。
gooブログの問題だと思いますが、
こちらからTBできないようで申し訳ありません。

私も新感線の舞台は大好きでよく見ているのですが、
今回の脚本に関しては、残念ながらあまり私の好みではありませんでした。
上出来の舞台だとは思うのですけれどねぇ。
最初は女優の力量不足かとも思いましたが、
どうもお話自体に違和感を覚えてしまうようです。
皆さん、とても絶賛されているようなので
心から楽しめなった自分が、ちょっと淋しい。

投稿: snowflower_001 | 2005年11月 6日 (日) 01時02分

>悠さま
私も原作ゲットしました。とても原作に忠実な気が致しました。吉原を主題にしながら,猥雑というより清涼感があって素晴らしいです。
天保は早々とご覧になられましたか。☆新感線版も良かったですが,蜷川版は手堅いものでしたね。

投稿: とみ | 2005年11月 3日 (木) 10時25分

吉原、原作読み直し、これのつずきの「かくれさと苦界」も読みました。「吉原」は、原作にちかいですね。
夢にでてくる女ではなく、夢を支える女、ってなけますね。

「天保」は一番前のせき、ぜったい、はらはらどきどきですよ。また、感想うかがいにきます(^^ゞ。

投稿: 悠 | 2005年10月31日 (月) 21時53分

おとみさま

「近松心中物語」-なるほど舞台のトーンが似てるかもしれませんね。遊郭のカンジとかも重なるのかも・・・。
「吉原御免状」は結構余韻が強くて、隆慶一郎さんの原作買って
読み始めました。

「天保十二年のシェイクスピア」観劇記、楽しみにしていますね。
最前列で見る藤原竜也くんはさぞ美しいことでしょう。

投稿: スキップ | 2005年10月31日 (月) 00時12分

>ゆきよさま
いのうえ氏を何度か劇場でお見かけしたことございます。
お召し物もキャップも劇場になじんでおられて良い感じです。
>スキップさま
貴ブログ拝見しました。気合い入りまくりですね。
それだけの価値あったと思います。
蜷川幸雄氏演出の近松心中物語のような感じがしましたが,お衣装のせいでしょうか。ワタクシ的には,竹田氏のお衣装がらしくて好きです。
今週末は,天保十二年!!!なんやD列かと思っておりましたら,最前列のようです。気合いを入れ直して行って参ります。
☆新感線の上川,沢口版当然見てます。
また,お互いブログで盛り上がりましょう。
お爪は綺麗にしていった方がよさそうですね。

投稿: おとみさん | 2005年10月27日 (木) 01時53分

おとみさま

こんばんは。
「吉原御免状」私も観て来ました。
感想をアップしましたので、トラックバックさせていただきました。
何だか「大人の新感線」ってカンジのお芝居でしたね。
でも、私は好きです。

投稿: スキップ | 2005年10月23日 (日) 04時07分

「吉原御免状」私も昨日拝見しました。
確かに原作がある分、新感線らしさは少なかった気がしますが、中島氏もいのうえ氏も、やはり25年(ここもか!)で一区切りという気持ちをもっていらしたようですね。そうそう、昨日は前半だけいのうえ氏が同じ列で御覧になっていました。だからなのでしょうか、おひょいさんがアドリブなさり、掛け合っていた女優さんが素で受けていらっしゃいました。(笑)
はずかしながら、隆慶一郎氏のお名前は初めて聞きました。原作も面白そうなので、読んでみたいと思います。

投稿: ゆきよ | 2005年10月20日 (木) 17時15分

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受信: 2005年10月23日 (日) 04時02分

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受信: 2005年11月 6日 (日) 23時49分

» 吉原御免状  [古典めざましタイ]
隆慶一郎の作品って、ヅカで上演されてるよね。植田しぇんしぇ〜が好きみたいでサ。『野風の笛』もねー。『捨て子童子・松平田忠輝』より〜。ど〜ってことない日本物で、心に残りもせなんだ。あのままならば、”隆慶一郎”の名。忘れていたでありましょう。 ところが!劇団☆新感線が”いのうえ歌舞伎”にっっ!!。チラシみつけた本好きの友人が「OH〜!まんま演るんだ〜」 『吉原御免状』 隆慶一郎/著 (新潮文庫�... [続きを読む]

受信: 2005年12月 6日 (火) 13時14分

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