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2005年9月15日 (木)

「七代目嵐徳三郎伝」を読みました。

七代目嵐徳三郎伝
船木 浩司著
東方出版 (2004.1)
通常1-3週間以内に発送します。

歌舞伎座三階にはかつての名優さんたちのなつかしいお写真が飾られているが,大阪松竹座の三階にも上方歌舞伎の名優さんたちのお写真が見られる。なかに,蜷川幸雄さんのファンにも忘れられない嵐徳三郎丈の新メのものがあり,ウルッとなってしまう。
17日は,平幹二郎丈主演の「ドレッサー」を拝見する。お二方は同い年であられる。同じ蜷川幸雄さん演出の王女メディアで,片やギリシャを席巻し,片や英国演劇界を刮目せしめた。70代になられて益々意気盛んな平幹丈に比して,溢れる才気と弛まぬ努力で,学士出身の一般人から大名跡を継がれ,これからというときに突然ご逝去された徳三郎丈のご無念はいかばかりであったことであろうか。
運の良い私は,坂東玉三郎丈,平幹二郎丈,嵐徳三郎丈及び大竹しのぶ丈の4メディアを拝見できた幸運な世代。永らえば,次世代も見られるかも…。幸福なジェネレーションである。おまけに,ドラクロアの王女メディアのホンモノも,つい最近拝見できた。
さて,「七代目嵐徳三郎伝」を運良く図書館で確保できたので,一気に読んだ。今更ながら,丈の苛烈な生涯に思いを馳せ,上方歌舞伎のこれからにどれほど大きな役割を果たせたことかと思わずにはいられない。

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コメント

>龍の目さま
コメント&トラバありがとうございました。
ますます見聞が広がっておられるご様子,感服致します。
大阪松竹座アイルの紀伊国屋書店に図録が販売されてました。浪花歌舞伎復興への取り組みを見るにつけ,徳三郎丈がおられたらと思う方が多いことに感無量でございます。
早速,貴宅へ寄せて頂きます。

投稿: とみ | 2006年5月 5日 (金) 23時08分

こんばんは、龍の目です。
すこし旧い話題になってしまうのですが、
徳三郎丈の郷里高松で開かれていた、
徳三郎丈の展覧についての記事を書いたので、
トラックバックさせて頂きました。

投稿: 龍の目 | 2006年5月 5日 (金) 21時12分

>船木さま
著者からコメント頂けるとは光栄です。
大阪松竹座の3階に行くたび,合掌しております。

投稿: とみ | 2006年3月21日 (火) 00時42分

龍の目様
「嵐徳三郎伝」を書いた船木です。徳三郎さんのこと、そして、拙著をご紹介いただいてありがとうございます。

投稿: 船木浩司 | 2006年3月20日 (月) 14時22分

>ドラクロアの王女メディアのホンモノ
って、ひょっとしたら同じもの見てたんでしょうか。アフタートークがあった日ごらんになってたら、同じ日ですね(^^ゞ私は、平さんのだけ見てます。

投稿: 悠 | 2005年9月18日 (日) 21時34分

こんばんは、龍の目です。
トラックバックありがとうございました。
関東で観られなかった徳三郎丈の歌舞伎の舞台を、
お小遣いを貯めて関西へ観にいくのが愉しみでした。
あの低い声、あの濃厚な色気、
すべてが今は観られないと思うと、悔しくてなりません。
この本こと、もっと多くの方に知って頂きたいと思うのです。

投稿: 龍の目 | 2005年9月15日 (木) 23時29分

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» 七代目嵐徳三郎伝 [龍の目]
今日の記事は大変な長文です。 スイマセン。有りっ丈の気持ちを綴りたいのです。 僕にとって尊敬できる大学の先輩であり、 またその芸を敬愛してやまなかった歌舞伎俳優がいました。 いました。過去形です。 2000年(平成12年)12月5日午前6時20分。 まだ66歳とい... [続きを読む]

受信: 2005年9月15日 (木) 23時25分

» 王女メデイア [こころそぞろ]
(劇団)ク・ナウカ 笑いに出てくるのは、等身大の人だ(えらい人も、等身大まで貶め [続きを読む]

受信: 2005年9月18日 (日) 21時31分

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