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2005年8月23日 (火)

上方歌舞伎会

今年で15回を迎える上方歌舞伎会は,8月20日及び21日,国立文楽劇場で昼夜2回,計4回の公演があり,いずれも大盛況。私は21日夜の部一度のみ観劇することができた。
南座の歌舞伎鑑賞教室,平成中村座役替わり公演及び宝塚新人公演又はバウホール公演は拝見したことあるが,上方歌舞伎会は初めてである。不覚。
演目は,我童丈監修の菅原伝授手習鑑車引の場,中村鴈次郎丈監修の芦屋道満大内鑑・葛の葉,片岡秀太郎丈及び仁左衛門丈監修の伊勢音頭恋寝刃及び藤間勘祖丈振り付けの春霞歌舞伎草紙の豪華4本立て。
しかも,楽日とあって,御大お三方の舞台挨拶付き。若い俳優さん達のがんばりを讃える感動の拍手のなかで,上方風締めで幕切れとなった。
なにぶん初心者ゆえ,お家の形,上方と江戸の違いなどきっちり論じることは出来ないが,上方独特のリアリティのある人物造形は楽しめた。
俳優さんも若手,太夫さんも若い。お声に濁りがなく聞き取りやすい。役者さんに幻惑されて見失うかもしれない物語の枠組みが実に明快に伝わる。これは,実はこんなお話だったのかと,違う側面から光が当てられたかの感じを受けた。
不勉強ながら,若い役者さんたちのご尊名を存じ上げなかったが,みなさん,それぞれ大役ながら仁に叶ったお役をさわやかに演じられておられた。
車引の梅王丸の片岡千次郎丈はパワフルに,葛の葉二役の中村鴈乃助丈はさすが手堅く,伊勢音頭の福岡貢役の片岡松次郎丈は切れそうな若者の危うさを好演。
演目としては,登場人物も多く,各人に見せ場が盛りだくさんな伊勢音頭が群像劇として楽しめた。貢さんは涼しげ。東京では七之助丈が演じられているお岸が上方では上村純弥丈(^^)//""""""パチパチ。情のある良い妓らしさがビシパシでなくふんわりと伝わる。
大劇場では,ベテラン俳優さんの怪演で見せるお鹿さんも,上方歌舞伎会ではかわいらしい。
客席は母心モード一色であったが,それだけでない上方歌舞伎の息吹を感じた。

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コメント

おお!とみさんも、るみさんも9月は仲蔵ですか?!
物語には興味津々ですが・・ブランドが苦手かも・・迷うところです。
どうぞ迷える子羊に・・いやたぶんイケない子羊に、純ちゃんレポ(出るのかな?)お願いします(*^^*)

投稿: 恵美 | 2005年8月25日 (木) 13時02分

私もトラックバックさせて頂きました。

投稿: るみ | 2005年8月24日 (水) 20時13分

とみさま、こんばんは。本当に私にとって初めての上方歌舞伎は新鮮で、とりこになってしまいました♪
私より少し(?)年下の方が多いのでですが、同じく母心モードになってました。私も頑張ろうという元気を頂きました。
上村純弥さん、この会を見るまで全然知らなかったのですが(すいません)、一番心に残っています。気になる役者さんです。

来月私も松竹座へまいります。とみさまと同じ3階席。宙乗りもあるし、楽しみです。

投稿: るみ | 2005年8月24日 (水) 20時11分

>フヂワライさま
ミナミの息吹が感じられる貴ブログ拝見しました。
葵太夫さん,鴈乃助丈さすがでした。
舞台挨拶も,ごちそう。満足感一杯でしたね。
大阪松竹座次月参ります。もちろん,三階です。
あ,微修正しました。
>恵美さま
一気に書いて誤字。失礼致しました(..)。
癖になって,来年は楽日にごちそうをいただきましょう。
お三方そろい踏みでしたら,大トロ,鰤と鮃の上にぎりをいただいた感じです。

投稿: おとみさん | 2005年8月24日 (水) 00時30分

>役者さんに幻惑されて見失うかもしれない物語の枠組みがが実に明快に伝わる。
まったく同感です。松・梅・桜を海老・勘太・七で、貢・岸を團さま・菊さま♪で観ておりますが、役者を観るのか?芝居を観るのか?。それぞれのお役の性格が明らかになって、大変解りやすく面白かったと思います。クセになりそうです。
純ちゃんフリークとして喝っ!「純弥」です。そういえば「ジュンちゃん」といえる役者は、他にみえないのね?世界に一つだけの花、オンリーワンですかぁ~♪

投稿: 菊蔵 | 2005年8月23日 (火) 12時45分

こんにちは。上方歌舞伎会の同じ会、僕も観ました。
伊勢音頭の福岡貢を勤めた片岡松次郎さんは僕もよかったと思いましたよ。意外と言っては失礼ですけれども。
葛の葉の中村鴈乃助さんは、実は若手じゃないんですよ~。随分前から名題ですし。好演でしたね。さすがというか。やっぱりあの中では格が違いますよ。床の葵太夫さんも普段は猿之助一座に加わっている太夫さんですし、勉強会にしては豪勢でした。

投稿: フヂワライ | 2005年8月23日 (火) 10時59分

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昨日、国立文楽劇場へ「第15回 上方歌舞伎会」を見に行ってきました。私にとって初めての「上方歌舞伎会」。たまたまポスターが目につき、値段も手頃なので行ってみることにしました。 上方歌舞伎会とは、上方歌舞伎の伝統を受け継ごうと志す、日頃の舞台では脇から支えている役者さん達が会員になっています。その役者さん達が、普段演じることのない大きな役に挑むことで、伝統を実感し、その経験が演技に役立つことを目的としているそうです。毎年1回行われ... [続きを読む]

受信: 2005年8月24日 (水) 20時12分

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